賃貸物件を探していると、「定期借家」と表記されている物件を目にすることがあります。
「気に入った物件が定期借家だけれど、具体的に普通の賃貸物件とどう違うの？」と疑問に思われる方も多いでしょう。
今回は、定期借家契約とは何か、そして途中解約や契約更新はできるのか、解説します。
定期借家契約とは？
賃貸物件の契約は、定期借家契約と普通借家契約の2種類に分けられます。
簡単に言うと、定期借家契約は最初から契約期間が決まっている契約、普通借家契約は期間が決まっていない契約のことです。
定期借家契約では、契約期間が終了した時点で、借主は物件を退去しなければなりません。
貸主にとっては、期間が決まっている転勤の間だけ自宅を貸し出したい、迷惑行為をする入居者が長く居住するリスクを抑えたいといった場合に便利な契約です。
一方、借主にとっても、1年以下の短い期間で契約できる、家賃が比較的安く抑えられているといったメリットがあります。
突然引っ越しが必要になった！定期借家契約は途中解約できるの？
定期借家契約を結んだ場合、基本的には途中解約ができません。
ただし、契約時に解約権留保特約を結んでいれば途中解約が可能です。
また、特約を結んでいなくても、違約金を支払う、あるいは中途解約権を行使することで、例外的に途中解約ができる場合があります。
違約金を支払う場合は、残りの契約期間の家賃を違約金として一括で支払うことで、解約ができます。
中途解約権を行使するためには、以下の3つの条件を満たしていることが必要です。
●居住目的で使用している
●床面積が200㎡未満である
●やむを得ない事情により、使用することが困難である
このうち、「やむを得ない事情により、使用することが困難である」という条件の「やむを得ない事情は」、「部屋を借りる時点において、予測できない事態」としか定まっておらず、具体例は明示されていません。
長期入院することが決まった、遠くに転勤になったといった場合には認められることが多いものの、貸主あるいは裁判所の判断次第です。
もっと長く住み続けたい…定期借家契約で契約更新はできる？
基本的に、定期借家契約では契約期間が終了したら退去しなければなりません。
ただし、貸主と交渉して再契約を結べば、そのまま住み続けられます。
貸主に快く再契約を結んでもらえるよう、家賃を滞納しない、トラブルを起こさないなど、貸主との関係は良好に保っておく必要があります。
しかし、貸主に長く貸し続けられない事情があって定期借家契約という形をとっている場合は、再契約が結べる可能性は低いと考えておいたほうが良いでしょう。
まとめ
定期借家契約とは何か、そして途中解約や契約更新について解説しました。
一口に定期借家契約と言っても、契約期間や契約内容、貸主の事情などによって、解約・更新のしやすさは大きな幅があります。
個々の物件について、不動産会社や貸主にきちんと確認をとることが重要です。
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