経済情勢によって大きく価格変動が起こる不動産価格ですが、基本的に時間経過によって不動産の価値は下落していきます。
そのため、購入時よりも売却時の不動産価格が下落していることが少なくありません。
価格が下落した際に不動産を売却すると、その分損失がでてきますが、できるだけ金銭面での負担を減らすために税金の軽減措置を受けられる繰越控除を利用することができます。
今回は不動産売却によって出た損失による負担を少なくする譲渡損失の繰越控除について、住宅の買い替え時のケースと買い替えなしのケースの両方を簡単に紹介していきます。
不動産を買い替えたときに利用できる譲渡損失の繰り越し控除は?
購入時より売却時のほうが不動産価格が下がっていれば、その分損失が出てしまいます。
現在住んでいる住居を売却して、新しい住居を買い替えるときに、譲渡損失の繰越控除を利用することができます。
買い替えのときに利用できる譲渡損失の繰越控除は、利用するための条件があります。
売却する不動産の所有期間が5年を超えていることや、敷地面積が500㎡までであることなどが条件にあります。
また、合計所得金額が3,000万円以内となっていることも条件で、この敷地面積や所得金額が条件の範囲より超えていると、繰越控除を受けることができなくなります。
買い替えた新居についても条件があり、不動産を売却した年の前年の1月1日から翌年の12月31日までに新居を購入する必要があります。
さらに条件として、購入した年の翌年の12月31日までに入居し、床面積が50㎡以上である必要があります。
不動産の買い替えなしでも譲渡損失の繰越控除は利用できる?
不動産の買い替えなしでも、利用できる譲渡損失の繰越控除はあります。
物件の所有期間や合計所得は、買い替えするときの条件と同じです。
売却する不動産に住宅ローン残高があり、物件の売却価格が住宅ローン残高を下回っている必要があります。
買い替えをしない場合は、住宅ローン残高から物件の売却価格を引いた額が、譲渡損失の繰越控除の限度額となります。
譲渡損失の繰越控除を利用するには、物件を売却した翌年に確定申告をしなければいけません。