城下町として古くから栄えた埼玉県川越市は、文化財や史跡が多く残されており、蔵造りの町並みの美しさから「小江戸川越」として注目を集めています。
なかでも川越大師喜多院は、徳川家ゆかりの寺として名高い寺です。
今回は川越大師喜多院について、概要と見どころをご紹介します。
川越市にある川越大師喜多院の概要
天台宗の寺院である川越大師喜多院は、仙芳仙人の故事によると、創建は奈良時代にまでさかのぼると推測されています。
歴代の住職のなかでもとくに有名な人物は、第27世住職の天海僧正です。
江戸幕府初代将軍の徳川家康と親しい仲で、絶大な信頼を得ていたと伝えられており、交友関係は第3代将軍である徳川家光まで続きました。
寛永15年(1638年)1月の川越大火で喜多院がほぼ全焼した際も、家光が復興に尽力し、江戸城紅葉山(皇居)の別殿を移築しています。
そのほかには慈恵堂・慈眼堂・鐘楼門・東照宮などの建物を数年の間に相次いで再建し、文化財として現在も大切に保存されています。
川越市にある川越大師喜多院の見どころ
川越大師喜多院の見どころは、江戸城紅葉山(皇居)と五百羅漢です。
寛永15年(1638年)の川越大火のあとに、第3代将軍の徳川家光が移築した江戸城紅葉山(皇居)内には、国指定重要文化財の客殿と書院などがあります。
客殿には、仏間や「徳川家光公誕生の間」にくわえ、奥には家光が使用したとされる湯殿と厠(お風呂とトイレ)があります。
「徳川家光公誕生の間」と呼ばれるようになったのは、江戸城があった当時の客殿が家光の出生場所であったためです。
客殿につながる書院「春日局化粧の間」も同じく江戸城にあったもので、家光の乳母として知られる春日局が使用していた部屋と言われています。
もうひとつの見どころである五百羅漢は、日本三大羅漢のひとつとして有名です。
羅漢とは悟りを開いた高僧を指し、喜怒哀楽を表現したユニークな538体の石像が並んでいます。
川越北田島の志誠の発願により、天明2年(1782年)から文政8年(1825年)の約50年の歳月をかけて建立されました。
十大弟子や十六羅漢を含めた533体のほか、中央高座の大仏に釈迦如来、脇侍の文殊・普腎の両菩薩、左右高座の阿弥陀如来など、全538体が鎮座しています。
石像は、笑ったり泣いたり、ヒソヒソ話していたりなど変化に富んでおり、それぞれの違いを楽しめる人気のスポットです。
●所在地:埼玉県川越市小仙波町1-20-1
●参拝時間:9時~16時
●定休日:12月20日~1月16日、2月2日〜3日、4月2日~5日
●アクセス方法:川越駅から徒歩20分
●駐車場:あり ※有料
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